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神経発達症について

神経発達症とは?

米国での診断基準の最新版(DSM-Ⅴ,2013)に登場しています。
ADHD、ASD、運動発達の遅れ、学習の障害といった診断を含みます。
これらの診断は重なることがあり、年齢と発達段階に応じて症状の現われ方や対処の方法が変わるでしょう。

●注意欠陥多動症(ADHD)とは?

不注意症状、衝動、多動の3つを特徴としています。
診断されるお子さんの数は日米英ともに急増しており、米国では小児喘息患者数を超えたとも言われています。
この急増の原因は、診断技術の向上と患児数の増加、過診断などが提唱されています。
日常生活では「忘れ物が多い」「落ち着きがない」「ケンカが絶えない」「教室や席を離れてしまう」という症状として現われるでしょう。これらが家庭内や遊びに行った友人宅、保育園や幼稚園、小学校で現われると、教師やママ友に指摘されるかもしれません。

●自閉症
スペクトラム症(ASD)とは?

コミュニケーションの拙さ、社会性の乏しさ、反復した行動などを特徴としています。
半数以上に感覚過敏や運動の遅れ、偏食といった症状を伴います。症状の出現が早い場合、3歳児健診などで指摘を受ける場合があります。少数のお子さんは芸術など特定分野が得意な場合があります。

●限局性学習症
(学習障害, Specific learning disorder, LD)とは?

読み書き算数など特定の分野での遅れがあることを指し、知的な遅れがないお子さんが該当します。
知能検査が参考となり、背景にADHDがある場合が多いです。LDへの治療法は乏しいですが、お子さんを理解しADHDへの治療が行われる場合があります。具体的な学習方法については、保護者や教育関係者の関与が必要となるでしょう。

●不登校
(School Refusal)

文科省によれば「年間30日以上の理由なき欠席」と定義されておりますが、これは病名ではなく神経発達症に含まれておりません。しかしこのお悩みで来院されるご家族が多数おられ、その日数以下でも学校に行けないお子さんの数はとても多いです。原因は多岐にわたり単一でないことが多く、学校の様子や通信簿、ご家庭での様子の聴取が大切です。
不登校への特効薬や単一の治療法が無く、継続的な来院や心理士や各種訓練士など多くの職種の関与が必要でした(筆者論文参照)。さらに不登校の経過中に腹痛や頭痛などの身体症状を訴えることが多く、当クリニックより病院小児科へ検査目的に紹介も行っております。不登校が長期にわたる場合や生活リズムが崩れてしまう場合は、他病院を紹介することがあります。

●発達性協調運動症、運動発達遅滞
(DCD、Motor delay)

同年齢の子と比較して不器用(例:はさみの使用が上手でない)や身体の使い方がぎこちない(例:よく転ぶ、ぶつかりやすい)などの症状を示します。学童期の5〜6%が上記診断を有し男児に多く、作業療法士(OT)が対応できる場合があります(当院不在、地元発達支援センターに在籍されているでしょう)。
ADHDや学習障害が併存する場合があり、落ちこぼれの運動選手だった院長は親子での戸外運動を繰り返し勧めるでしょう。
当院では入口が階段のため、頑張って登ってくださいね。

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